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STORY
ある漁師の物語
﨑津で迎える年齢と同じ回数の冬。
道の端に散っている凍てついた枯れ葉を踏みしめながら我が舟のもとに向かう。
白い息はすっと海面から立ち上るけあらしとともにどこかに消え去る。
舟のエンジンをかけると身震いするかのような一筋のエンジン音が一瞬漁港に鳴り響く。
漁港を抜けるとまっ先に向かうのがマリア像である。漁師の航海の安全と豊漁を願い、静かにたたずむマリア様にそっと祈りを捧げ、かじかんだ手を温めながら我が戦場へと向かう。
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